民泊×ITの可能性 ~具体的な導入例と副次的メリット~

民泊運営をしていると、いろいろな悩みが生まれます。稼働率をどう上げるか、ゲストにどう喜んでもらうか。追求すべきポイントは1つ、2つではありません。多くのホストがさまざまな壁にぶつかっていますが、「煩雑な作業が多く、とられる時間が多い」と感じている方も多いでしょう。

そこで今回は、その悩みを解決する一つのアンサーとしてITテクノロジーの導入についてご紹介します。毎回のルーティンや面倒な作業を短縮し、より本質的な仕事にかけられる時間を増やしていきましょう。

民泊運営を効率化させる次世代IoTアイテム

スマートロック


民泊にITを導入すると言っても、何から手をつけていいかわからない人も多いかもしれません。そんなホストの方には、スマートロックから始めることをおすすめします。

鍵を直接を受け渡しているホストにとっては、わざわざ毎回ゲストに会いに行く手間が省けますし、ゲストに鍵をなくされたり、きちんと返却されなかったりといったトラブルを未然に防ぐという側面もあります。

現在では、鍵の受け渡し代行サービスも増えていますが、そこにかける費用が不要になるので、長期的に見てコストカットにもつながります。

スマートロックを導入すれば、ゲストはスマートフォンを利用して鍵を開けることができます。鍵の閉め忘れといった心配から解放され、ドア開閉の履歴を残すことも可能です。ゲストからしても、わざわざ鍵を受け取るという作業を省略できるので満足度向上につながります。

スマートロックは民泊業界において年々存在感を増しており、Airbnbと連携を始めたサービスもあります。それが、RemoteLOCKです。連携を設定すると、Airbnbからの予約があった時点で開錠キーがゲストに知らされるので、ホスト側は一切の手間を省くことができます。特定の日程のみ利用できるキーなので、ゲストが不正に入出する心配もありません。

Zensが一部物件で使用している「Ninja Lock」については詳しい紹介をこちらの記事で行なっていますので、是非ご覧ください。

もう鍵はいらないのか?新しいスマートロック、Ninja Lockを使ってみた

マルチセンサー


マルチセンサーを導入することで、遠隔で物件を管理することができます。例えば温度や湿度を検出するセンサーを使えば、ゲストが冷暖房を切り忘れたまま退出してしまっても、物件に行かずともすぐに気が付けます。

これにより、光熱費の削減につながりますよね。さらにリモート操作のできるエアコンを利用していれば、足を運ぶことなくすぐにオフにすることも可能です。

温度管理だけでなく、モーションセンサーを使えば、物件に誰かいるかどうか明確になります。退出時間になってもゲストが残っていたり、宿泊予約が入っている日程以外に人がいるといったトラブルを即座に感知できるでしょう。

騒音センサー


ゲストが近隣住民と引き起こすトラブルといえば、騒音問題。特に外国人ゲストは文化が違うこともあり、夜間に大きな物音や音楽をかけるなどして、通報される事例は多々あります。

このようなトラブルは、民泊運営の継続不能という、最悪の事態を引き起こしかねませんよね。そこで一定以上の物音が発生した際にすぐに通知を受け取れるよう、騒音センサーの設置をおすすめします。

例えばポイントというデバイスを使えば、ホストに通知すると同時にゲストへメッセージを送ることができます。このような早目の対応により、トラブルを最小限にとどめられるでしょう。

民泊×ITがもたらす副次的メリット


民泊にITを導入することのメリットには、多面性があります。ITを使うということは、つまり情報を蓄積すること。そして蓄積された情報を活かすことで、本来の目的以外にも、副産物的なメリットを得られるのです。

例えば、マルチセンサーを導入する直接的なメリットは、ゲストのエアコン消し忘れに即座に対応できることです。しかし、それ以外にも注目すべき点があります。

マルチセンサーのおかげで、それまではそもそも発生していると気がつけなかった消し忘れに気が付くことができます。そうすると、複数の物件を管理していて一定の物件だけで消し忘れが多発しているということがわかるかもしれません。そうなると、そこには何か特定の原因があると考えられます。

そこで他の物件とその物件のエアコンについてよく観察した結果、その物件のエアコンのリモコンにだけ、「ON/OFF」という英語表記がなかったことがわかったとします。

ということは、消し忘れはしなかったものの、「ゲストにとってリモコンの使い方がわかりにくい」という顕在化していなかった問題をあぶり出せるわけです。これに対応することで、ゲストの満足度を底上げできるはずです。


これは情報を「蓄積」するという側面から生まれるメリットです。蓄積には一定の時間が必要ですが、ITを導入して早速感じられる副次的メリットもあります。

例えば、スマートロックの導入で得られるホストのメリットは、鍵の受け渡しという作業から解放されるということだけではありません。実は、清掃業者の選定に一躍買うのです。

複数の物件を管理するホストは、自分自身で物件を清掃するのではなく、業者を利用していますよね。清潔度はゲストからの評価を極めて大きく左右するポイントであり、適切な清潔業者を選ぶことは、ゲストからのレビューを高めるために必須です。

しかし残念ながら、「依頼をしたのに清掃スタッフが来ない」「規定より短い時間しか作業していない」といったずさんな業者もあります。そんなときはスマートロックの開閉履歴を追えば、何時にスタッフが来て、どのくらい滞在していったかがわかります。

このように入出を管理することで、「ゲストのチェックインまでに清掃が入らなかったことを、まったく知らなかった」というトラブルが避けられます。

今回紹介した2つは、ほんの一例にすぎません。このように民泊にITを導入することで、他にもたくさん多角的なメリットが生まれます。

もちろん初期投資がかかるといったデメリットもありますが、長期的に見ると得られることの方が多いでしょう。民泊運営に慣れてきたら、ITを導入しワンランク上のステージに進んでください。