民泊×確定申告 事業所得で節税できる?

年末が近づくにつれて、「確定申告の準備をしないとな……」と憂鬱なホストの方は多いでしょう。特にある程度民泊運用の規模が大きくなり、収入と支出の額が増えてくると、その流れを追うのも厄介になってきます。しかし、確定申告は一定以上の所得を得ている人にとっては必須の手続きです。期限内に、ミスのないよう完了させましょう。

民泊に関する3つの所得

一口に所得といっても、実は10種類にわかれているということをご存知でしょうか。国税庁の定めた規定に沿って、まずは自分の得ている所得がどんなものなのかを明らかにしてください。

  • 利子所得:預金につく利子や投資信託の収益などによる所得
  • 配当所得:株主として得る配当などによる所得
  • 不動産所得:不動産や船舶、航空機の貸し付けなどによる所得
  • 事業所得:事業から生ずる所得
  • 給与所得:勤務先から得る所得
  • 退職所得:退職により得る所得
  • 山林所得:山林の譲渡などにより得る所得
  • 譲渡所得:資産を譲渡することにより得る所得
  • 一時所得:福引の賞金や生命保険の一時金など営利を目的としない行為から発生する所得
  • 雑所:上記いずれにも属しない所得

民泊から発生する所得は、不動産所得、雑所得、そして事業所得のいずれかに当てはまります。不動産所得と雑所得についてはこちらをご参考ください。

初めての確定申告 。民泊の収入は納税の義務がある?

今回は、事業所得に焦点を当ててご説明していきます。

民泊の所得が事業所得になる条件

民泊で得た所得を事業所得になるかどうかは、いくつかの基準に基づいて判断されます。国税不服審判所によると、自己の計算と危険において独立して営まれているもので、

  • 営利性・有償性の有無
  • 継続性・反復性の有無
  • 自己の危険と計算における事業遂行性の有無
  • その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
  • 人的・物的設備の有無
  • その取引の目的
  • その者の職歴・社会的地位・生活状況など

これらを総合して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断されます。
実際的には、物件にただゲストを泊めるだけではなく清掃や朝食の用意などを行なうと、事業所得として計上されることが多いでしょう。

また、アパート等10室以上、独立家屋5棟以上の貸し付けを行なっている場合は、不動産所得ではなく事業所得に分類されます。

事業所得なら最大65万円の控除が認められる

民泊の所得が事業所得とする大きなメリットは、65万円の青色申告特別控除が適用されることでしょう。複式簿記で記帳していること、現金主義ではないこと、確定申告時に損益計算書と貸借対照表を添付することなどの基準をクリアすれば、大きな節税効果が得られます。

不動産所得の場合は10万円の控除しか認められず、雑所得の場合は青色申告特別控除そのものが適用されません。事業が大きくなればなるほどこうした控除を利用するのは重要ですから、特に本業として民泊を運用されている方はぜひ事業所得として申告しましょう。

確定申告が必要な所得額とは


民泊でどのくらいの所得があると、確定申告が必要なのでしょうか。本業が別にあり、民泊を副業として営んでいる方は、所得が20万円を超えていたら確定申告をしてください。民泊を本業としているかたは、38万円を超えたら必要になります。

ただし、副業をいくつかされている方はそれら全て合計した金額になるので注意してください。例えば、民泊で得た所得が18万円だったとしても、他の副業で3万円の所得があれば、両方の副業分を確定申告しなくてはなりません。

納税額は所得によって変動する

本記事を読まれている方は、民泊である程度の収入を得ている方も多いでしょう。そこで大切になってくるのが、所得額です。所得とは収入と違い、入ってきたお金から必要経費を引いた金額のことを指しますが、これが多いとその分たくさんの税金を納めることになります。

実際より所得額を少なく申告するのは脱税行為に当たるのでもちろんNGですが、本来かかった経費を計算に入れ忘れたら、とてももったいないですよね。ここで今一度、経費について確認しておきましょう。

民泊運用している物件にかかる費用

民泊を運用している物件を維持するには、さまざまな諸経費が掛かりますよね。この金額が経費のメインとなってくるので、しっかりと計算に入れましょう。

まず、物件を借りている場合は毎月の賃貸料がかかります。自分が住んでおらず完全に民泊用として運用しているなら、賃料の全額が経費になります。また、初期費用として支払った礼金も含まれるのでお忘れなく。物件にかかる固定資産税も、経費の一種です。

民泊運用している物件の維持費

物件を長期にわたり繰り返し使用するには、定期的なメンテナンスが必要ですよね。ゲストがチェックアウトした後に清掃業者を入れているなら、その委託料が経費になります。また、年に数回の大きなクリーニングなどをした場合、その支払い分もお忘れなく。

家具や壁に傷がつけばそれを直すでしょうし、和室であればたたみや障子を替えたりすることもあるでしょう。そうした物件を維持するための費用も、まとめて経費に上げられます。

ゲストが使用する設備の費用

ゲストは滞在中、電気で部屋を明るくし、コンロを使って簡易的な料理をしたり、シャワーを浴びたりしますよね。これらにかかる水道光熱費も、経費となります。また、最近では物件にWiFiを用意しておくのは当たり前。その通信費も経費です。

ゲストの使用する消耗品の費用

ゲストがトイレに入ればトイレットペーパーが減りますし、紙皿やシャンプーもどんどんなくなります。こうした消耗品も経費に忘れず計上しましょう。

軽食用に食材を用意している場合は、それも経費です。調理せず冷蔵庫やキッチンに置いておくだけの、カップ麺や飲み物も含まれます。こうした買い出しはついプライベートの買い物と一緒にしてしまいがちですが、レシートはわけて金額が明確にわかるようにしておいてください。

民泊運営にかかわる交通費

最寄りの駅やバス停から物件まで、ゲストを送迎しているホストもいますよね。そこにかかるガソリン代も経費です。プライベートと民泊運営用で車を分けられれば一番わかりやすいのですが、そうもいかない場合はそれぞれ何割ずつ使っているかを按分計算します。

その他の経費

これ以外にも、経費として計上できるものは多々あります。まずAirbnbなどへ支払う手数料が経費にあたります。民泊運営をに代行業者に委託している方は、その料金も経費です。民泊を開始するときに起業セミナーを受けたり、ホストの交流会などに参加した場合は、その参加費も忘れないようにしましょう。

民泊の所得を事業所得として確定申告しよう


民泊運営の規模がある程度大きくなって来たら、事業所得として確定申告をしましょう。青色申告で控除を受けることにより、大幅な節税になります。また、個人の支払いと民泊運営に関する支払いをきっちりと分け、レシートや領収書は項目と日付がわかるように整理しておくといいですね。

確定申告に関する作業は煩雑ですが、規定以上の所得を得ているかぎり必須の手続きです。抜け漏れがあると延滞税などがかかりますし、意図的に支払わなければ相応のペナルティを受けます。今後事業をもっと大きく展開するためにも、お金の流れをきっちりと把握しておきましょう。