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物件管理コストを軽減させるIoTシステムから見る民泊3.0

[記事公開日]2019/12/21

スマートキー・スマートロックについては以前詳しくご紹介をしています。
今回は、そうしたIoTシステムと呼称される新しいテクノロジーを活用することで、例えば不動産投資分野でどのようなイノベーションが生まれるか、そしてそれはどのようなメリットをもたらしうるかということを検証していきたいと考えます。さらに、民泊3.0 と語られるような未来像も見据えていきたいと思います。

不動産オーナーの皆さんや民泊市場への取り組みに懸念をお持ちの皆さんにご参考いただきたく思います。

スマートロックで変化する生活スタイルと不動産投資

まず最初に、日本の鍵市場について確認しましょう。「鍵」と言うと、誰もがおそらく3個くらいは手元に持っていることでしょう。財産を守るためには欠かせないものですが、その市場は年間500億円前後と決してさほど大きな市場ではありません。というのも、リピート市場が存在しない製品でもあるからだと想像するのに多くの時間を要しません。

建物で考えてみればわかりやすいです。
建物が新築された際に鍵が取り付けられますが、その後の交換需要が著しく少ない。賃貸であれば、入居者が入れ替わるたびに鍵は交換されますが、それ以外には基本的に発生しません。

この市場、日本国内では2社のメーカーでシェア9割以上というのも特徴的です。

しかし、いま、鍵の仕組みは電子化された機構へと転換していくことで建物全体のセキュリティや家電など設備までを集中管理するスマート化や、24時間型サービス、つまりは「スマートレジデンシャルホテル」のような新業態の無人サービスを生み出すことを可能にしています。

スマートロックで変わる不動産投資


スマートロックの活用は、シェアオフィスでの入室管理を無人化できることや、通常の賃貸アパート経営にも役立つものだと誰もが考えることです。
少し視点を変えてみましょう。賃貸物件のオーナー(大家)にとっての大きな悩みに「家賃滞納」があります。このスマートロックを導入することで家賃滞納されている部屋の鍵を強制的にロックすることが可能になるわけですが(入居者の同意を得ないドアロックは法的な問題があり)、スマートロック付きの物件には家賃滞納の抑止効果がありものと実証が進んでいます。

賃貸住宅の家賃延滞率

月初め段階での滞納率: 6.8%
月末までの1ヵ月滞納率:3.1%
2ヵ月以上の滞納率:1.3%

「月末の指定日に家賃をうっかり入金し忘れた」という滞納者を含めた月初め段階での滞納は、実に6.8%で約15戸に1戸です。1ヵ月滞納は3.1%で約32戸に1戸発生していることになります。長期滞納に発展しかねない2ヵ月以上滞納は、1.3%で約77戸に1戸の割合となっています。決して他山の石とはなりません。この数字をどのように考えられますか?

参考:
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20190706-00131332/

普及が始まっているセルフ内覧システム

さて、もう一方では入居希望社の内覧希望の手続きを考えてみます。
デジタル技術で鍵の管理ができるスマートロックが、物件の入居率を高めることも実証されてきました。それは、入居希望者が内覧を申し込む時からがスタートです。この手続をIT化することによって、物件入居率が上がるということです。

アパート探しをしている顧客は、広告や検索サイト、集合サイトで気に入った物件を選び、仲介業者にメールや電話をして内覧日時を決め、現地で仲介業者と待ち合わせて部屋の中を見せてもらいます。その二重のコミュニケーションが障害となって、実際の内覧率は決して高いものではないという現実もありました。(そもそも、物件の鍵を預からないといけません)

そのロスを改善するのが、セルフ内覧という方法。内覧希望者からの申し込みがあると、仲介業者はスマートロックのアクセス権限を一次的に提供して、現地への同行はせずに、希望者自身がセルフで物件の内部を見学してもらう方式となります。

zensでは賃貸物件は扱いませんが、同様のスマート化により、セルフチェックインを実現しています。

なお具体的な数字がわかるところでは、2016年10月から都内の単身者向け賃貸マンションで導入したスマート内覧システム(三菱地所グループ賃貸管理会社)が通常の立会方式に比べ内覧件数で1.2倍の上昇効果が出ているということです。特に、仕事帰りの時間帯(平日の18時以降)における内覧件数が増えているとのこと。

無人管理されるシェアオフィスと利回り向上

少し視点を変えて、シェアオフィスの入室管理におけるスマートロックの活用についても検証しました。シェアオフィスの会員それぞれに電子的なアクセスキーを割り振れば、誰が、いつ入室したのかを管理することができます。

遠隔からでもドアの施錠管理が行えるスマートロックの利便性が注目されるようになったのは、Airbnbのような民泊サービスが普及しはじめた頃からで、昨年2018年あたりからです。それまでの入居管理は、物件オーナー(ホスト)と宿泊者(ゲスト)との間で、物理的な鍵のやり取りをする必要がありましたが、スマートロックはその負担を劇的に解消することができました。

その負担軽減は、つまり不動産物件への投資利回りを好転させることができるということでもあります。

具体的に、シェアオフィス経営の点で語ると、受付対応をするスタッフの人件費は経営負担になっているものでしたがそのコスト軽減に大きく寄与します。

スマートロックについては、

スマート内覧は、30分単位、最大2時間の時間枠で予約を取ることができます。実際の物件滞在時間は、平均で約10分。賃貸管理会社から仲介業者への鍵の受け渡しにかかるタイムロスが無いため、「いますぐ物件を見たい」という要望に即対応できる点が最大のめりっととなっているのでしょう。

民泊3.0 がこれから一般化するか

日本ではさまざまな報道もあり、「民泊」という言葉に対する印象はネガティブ要素が大きくなっているのが現実です。
「民泊を利用したいか」という質問に対して、60%までの返答が「利用したくない」となっているという調査も公開されています。が、法的な整備も進み、国内大手デベロッパーも民泊市場のサービスを開発し既に新たなビジネスステージが誕生しているというのが現段階の正しい理解かと考えます。

わかりやすい比較が、一般的な宿泊事業との比較になるのだと思います。ホテルと民泊。

海外では、民泊3.0と呼称されるに至る新しいサービスが人気を集めています。次回はそんなビジネスの数々を紹介、評価をしていきたいと考えます。

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