民泊×地方の成功事例となるか?先進的な取り組みで注目を浴びる福岡市

住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)の施行を6月に控え、住宅宿泊事業申請や民泊関連事業における各企業の提携など、民泊の新時代に向けて加速度的に進んでいます。

政府からも民泊ガイドラインが公表されたり、民泊新法をうけてあがった各自治体の条例案が可決されはじめてきました。施行開始となる6月をめどに、利用者にも近隣住民に対しても安全で安心できる環境作りが進んでいます。

そんな中、年々増加するインバウンド需要をうけて民泊を活用しようと動いているのが福岡市です。自治体から発表された条例でも大きな営業規制は見られず、民泊関連のニュースも出ていることから、今後民泊を考えている事業者の方にとっては注目の場所です。

今回は、福岡市が民泊を行う場所として優れている点や、今福岡市で行われている取り組みなどについて紹介いたします。

TOP画像提供:福岡市

国内外問わず観光地として注目をあびる都市

年々インバウンド需要は増加中

福岡市が公表している観光統計によると、2010年から2015年にかけて福岡市を訪れる観光客数は約300万人増加しています。

さらに、訪日外国人数に関しては、2010年が約55万人だったのに対し、2015年は4倍近くの約200万人を記録しています(外国人延宿泊数より)。観光消費額についても、年々増加の兆しを見せており、2014年から2015年にかけては173億円増です。

参考資料
平成27年観光統計の概要および平成28年外国人入国者数について 

都道府県別で見ても、福岡県は全国5位の誘致率

都道府県別で訪日外国人数を見ると、福岡県は全国でもトップクラスの数値を記録しています。訪日外国人数は全国で5位、宿泊者数も全国7位を記録しています。割合に示すと、日本に訪れる外国人のうち約1割は福岡県を訪れていることになります。

福岡が支持される一番の理由は、近隣の国からのアクセス面の良さです。福岡を訪れる外国人のうち、韓国人と台湾人だけで全体の半分以上を占めています。韓国や台湾は他の国と違い、LCCを利用して安価で飛行機を利用できたり博多港まで船を利用して訪れたりすることもできるため、日本人と同じかそれ以上に身近な観光地なのです。

参考資料
訪日外国人消費動向調査

訪日外国人から人気の観光地は?

全国でもトップクラスの観光地である福岡県。観光スポットは数多くありますが、福岡市、またその近辺で訪日外国人から人気の観光スポットを紹介します。

屋台

福岡の屋台と言えば、日本人の間でも定番の観光スポットです。福岡市内でも一等地と呼ばれる場所に建ち並び、屋台の数は100を超えます。

日本や地元の文化を楽しめる場所として、国籍・出身を問わず多数の人が訪れ交流する人気スポットです。

神社・寺院


画像:福岡市

福岡県には他県と比べても多くの神社・寺院が建てられています。その数3417社で、全国で3番目です。さらに、福岡では天神信仰を行う箇所が特に多く、全国で最も多い672社を記録しています。

福岡市とその近辺で最も有名なのは太宰府天満宮でしょう。博多駅からでも電車を利用して1時間足らずで向かうことができます。福岡市内には香椎宮や筥崎宮があり、こちらは大宰府よりも簡単にアクセスが可能です。

一度にたくさんの場所を回れる狭さも魅力

上記以外にも福岡市内とその周辺には多くの観光地があり、観光を大いに楽しむことができます。

さらに、東京や大阪など他の都心と比較して大きなメリットが福岡にはあります。それは街の規模の小ささです。移動範囲が狭く、各地へのアクセスが容易なのです。そのため、たくさんの観光スポットを回り、独自の文化に触れて観光を満喫することができます。

韓国・台湾から来る際のアクセスを含め、この「気軽に旅行ができる土地」であることが、海外の観光客から支持を受けている理由です。

インバウンド需要に比例して福岡の民泊施設も活性化!

インバウンド需要の増加を受けて、民泊施設やairbnbを利用した簡易宿泊施設、またそういった施設を利用する人向けのサービスなども充実してきています。今回は、その中でも注目のサービスを一部紹介致します。

日本ならではのお菓子が食べ放題!「TRIP POD FUKUOKA」

株式会社インベスターズクラウドの子会社である株式会社iVacationが経営をしている宿泊施設です。和菓子やスナック菓子、ご当地限定のお菓子など、幅広い種類のお菓子を常備しており、自由に食べ比べを行うことができます。

宿泊スペースはカプセルホテルのようになっており、女性専用のスペースも用意されています。また、利用者にはiVacationが開発した「TRIP PHONE」が提供されます。コンシェルジュと連絡を取るだけでタクシーなどの予約や、近くの観光・飲食施設などの案内をしてもらうことが可能です。

TRIP PODをはじめとしたiVacationのサービスについて、インタビューを行った記事がありますので、こちらもあわせてご覧ください。

第1回 コストを下げつつ顧客満足度を上げる 不動産で培ったITで民泊ビジネスをスマートに(前編)


Airbnbでも「体験」サービスが開始

その土地でしかできない体験を、地元の人から教えてもらうことができるAirbnbの「体験」サービスですが、2018年から福岡でもこのサービスがスタートしました。日本で「体験」サービスが行われるのは、関東エリア、関西エリアに続いて3ヶ所目です。

今現在「体験」のサービスとして実施しているものには、「博多人形絵付体験」「アウトドアクッキング」「箱崎の飲み歩きツアー」などがあります。今回の「体験」サービスの実施は、訪日外国人向けのサービス多様化以外にも、地方商店街を活性化させるためのモデルケースとして、福岡市経済観光文化局や福岡地域戦略推進協議会(FDC)と一緒になって取り組んでいる背景があります。

福岡の「体験」サービスはこちらから

福岡市から民泊スタートアップガイドが公開される

福岡市は、ゲストハウスや民泊などの小規模宿泊施設への理解促進に向けて、民泊新法の概要や、民泊を経営するために必要な手続きなどなどをまとめた「小規模宿泊施設(民泊)スタートアップガイド」を作成、公開しました。

民泊施設の区分の違いや民泊に関する手続きの流れなどが、図や写真を用いてわかりやすく説明されています。民泊を始める人はもちろん、観光客に向けた事業を行っている人や民泊について知りたい人向けにも便利なガイドブックです。

民泊スタートアップガイドはこちらから

福岡は民泊を先導する地方都市となるか

民泊新法をうけて、各自治体では条例を独自に制定しています。しかし、民泊が盛んだった東京都や関西地方でも、地域によって条例で取り締まられる内容は異なっており、中には営業日数規制の関係で利益を出すことが難しい地域もあります。

その中で、福岡市は年々高まるインバウンドの需要に対し、民間・自治体の双方が民泊を利用してその需要に応えています。民泊新法施行後の民泊事情についてはまだ見えない部分もありますが、福岡市の取り組みは、民泊を活用した観光客誘致のモデルとして今後目が離せません。