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民泊ビジネスの未来を占う 「大きくて古い」×「小さくて新しい」が融合した熱い夜

[記事公開日]2017/10/14
[最終更新日]

2017年8月7日、東京建物八重洲ビル(東京都千代田区)にて行なわれた、東京建物の若手社員による自主参加型の勉強会「TOTATE LAB」。
その第2回講師に、Zens代表の町田龍馬が招かれました。

会場紹介

東京建物株式会社は分譲マンションブランド「ブリリア」などで知られている老舗企業。都心に新築のビルやマンションを建てる、という従来のスタイルだけではなく、新たな不動産事業モデルを模索されているということで、民泊ビジネスに定評のあるZensに白羽の矢が立ったとのことでした。

講演会場は、2017年7月31日にオープンしたばかりの「+ours」。東京建物が初めて手掛けたレンタル・シェアオフィスです。

「+ours」というネーミングには「すべての方に“私たちの居場所”だと感じていただけるワークプレイスでありたい」という東京建物の想いが込められているのだそうです。

フロアに入るとすぐに受付があり、女性コンシェルジュ2人がお出迎え。受付の向かいには、半面ガラス張りの大きな会議室があります。


ドリンク完備の共有スペースの奥には個室も

先に進むと、コワーキングスペース(ラウンジ)が広がっています。


奥にはウォーターサーバーやコーヒーサーバーも発見しました。


本棚には最新のビジネス誌が並べられています。木や緑が多く、暖色のライトで温かみのある雰囲気です。

さらに進むと、個室タイプのサービスオフィススペースがありました。こちらはガラリと雰囲気が変わり、白を基調とした落ち着いた雰囲気。コワーキングスペースからサービスオフィススペースへと繋がるドアにはオートロックがついているため、セキュリティ面でも安心です。

「シェアリングエコノミー」についてZens代表・町田が講演

午後6時半、コワーキングスペースにて、講演がスタートしました。参加者は23人。下は25歳から上は36歳まで。ほとんどが30代です。司会を務める商業施設事業部鹿郷(かごう)光さんの乾杯の音頭とともにお酒も入り、ざっくばらんな雰囲気です。

シェアオフィスで人脈までシェアできる時代が到来する!

講演テーマは、今後不動産業界が深く関わる「シェアリングエコノミー」について、です。

まずはその中の「シェアオフィス」の最先端事例として、町田から「WeWork」を紹介しました。

WeWorkは、アメリカのニューヨークに本社を置く、起業家向けのコワーキングスペースを提供する企業です。その福利厚生や会員専用SNSなどが利用者から高い評価を得ています。

スタートアップ段階の個人のみならず、マイクロソフト、Airbnb、Uberなど大企業やメガベンチャーも法人として契約しています。同社によると、アメリカを中心に、15ヶ国、45都市に149もの拠点があるそう。その利用者は12万人以上にのぼります。

また、コワーキングスペースのドリンクバーには驚くことに、ビールサーバーまで設置されているそうです。ビールを飲みながら働けるとは、なんともうらやましいですね。

各拠点には、コミュニティマネージャーと呼ばれる人が駐在しており、人と人とを繋ぎコラボレーションを生み出すための重要な役割を果たしています。

コミュニティの活動は多岐にわたります。例えば、会議やパネルディスカッション、ヨガやアートなど各種のワークショップ、サマーキャンプなどが開かれています。

WeWorkのセールスポイントは、「おしゃれなオフィス」ではなく、「コミュニティ」。シェアオフィスをオープンしたばかりの東京建物にとって、遊びと仕事を共存させ、かつコミュニティを付加価値として提供するWeWorkから得たものは、固定概念を覆す大きな発見だったようです。

優秀な人材の採用はブランド力のアップから

WeWorkについて、会場からはこんな質問が出ました。

「今後シェアリングエコノミー業界に参入するにあたり、コミュニティマネージャーの重要性は認識しています。ですが、そのスキルは簡単に身につくようなものではないですよね。会社から人材を出せればいいけど難しい。外部から優秀な人材を雇いたいけど、どう見つければいいのかわからない。WeWorkはどうやって、世界各国の優秀かつ信頼できるコミュニティマネージャーを見つけ出し、雇っているんでしょうか」

WeWorkなど、企業はまず大規模な資金調達をします。その資金で、最先端のオフィスや福利厚生を整えるなどして、魅力的な企業であると思わせるためのブランディングをします。それから、スキルのある有名なコミュニティマネージャーを雇います。そこからは芋づる式で、優秀な人材が集まるという仕組みです。

このように、今後企業が優秀な人材を獲るには、「働いてみたい」と思わせるようなブランディングが必須条件になるということ。これは東京建物のような大企業でも、Zensのようなスタートアップ企業でも同じことが言えます。

民泊新法以後のビジネスを考える:マンスリーマンションと民泊の可能性

さて、ここからテーマはマンスリーマンションと民泊の可能性へと移ります。東京建物の皆さんも事業に直結する分野ということで、注目度は最高潮、会場の熱気が増していきます。

2017年6月の民泊新法成立を機に、大手不動産会社も合法的に民泊事業に参入できるようになりました。大手不動産会社が所有する賃貸マンションの空き部屋などを、最大180日間は民泊に、それ以外の期間をマンスリーマンションやサービスアパートメントとして活用することで、これまでよりも手軽に、利回りよく運用することができます。


町田からは全国に先駆けて民泊運営代行サービスを始めた創業者として、これまでに培った民泊運営ノウハウをご紹介しました。

民泊ビジネスを成功させる4つのポイント

民泊ビジネスにおいてオーナー様が求めるもの。それは、売上の最大化と、初期投資を取り戻すための長期運用です。これを実現するためのZensが重視しているのが下の4つの必須条件です。

大手ホテルチェーン並みの価格最適化

一つは「大手ホテルチェーン並みの価格最適化」です。Zensでは、需要と供給に合わせて日々宿泊単価を変動させています。これが平均宿泊単価と稼働率の最大化、そして売上の最大化につながります。

5つ星レビュー獲得率

二つ目が「5つ星レビュー獲得率」です。これもレビュー項目ごとに分析し、稼働率アップにつなげます。

クリック率を高める魅力的な内装写真

三つ目が「クリック率を高める魅力的な内装写真」です。

予約が入るかどうかは、最初の写真1枚で決まるといっても過言ではありません。人気物件の多くはリノベーションをしており、部屋に和の要素を取り入れています。全体を日本風にする必要はなく、シンプルな中に、ワンポイント、和がある物件が好評です。一方で、コンクリート打ちっ放しのデザイナーズ物件など、かなり個性的な物件でも稼働率は高くなっています。

近隣トラブル回避

最後に、民泊のホスト側が一番気になる「近隣トラブル回避」です。主に問題となるのは、安全性、ゴミ出し、騒音の3つ、です。Zensでは事前にゲストの審査を行い、ハウスルールなどについて細かく記載した写真付きのウェルカムガイドや、写真付きゴミ出しガイドの作成を行い、事前にゲストに送って確認してから宿泊する仕組みになっています。

また、騒音センサーを完備し、サポートセンターには24時間・多言語対応できるスタッフが常駐しています。

従来のホテルビジネスとはかなり違う視点が必要となります。

民泊ニーズの高い地域を見極めよ!

ここで参加者から、「民泊ビジネスとホテルビジネスは共存しうるのか」という質問が出ました。

答えは「Yes」です。

民泊にも、得意なエリアと不得意なエリアがあります。民泊の主な利用者は訪日外国人観光客だからです。民泊が得意とするのは訪日外国人観光客が好む渋谷・新宿エリア。そこから同心円状に、民泊ニーズは低くなっていきます。

一方、東京・銀座エリアなどは、賃貸マンションが少ない上に賃料が高いため、民泊を始めるにしても、コストの関係で宿泊料金が高止まりせざるを得ず、運用がやや難しいエリアといえるでしょう。またビジネスでの利用が多いことからホテルニーズが高いといえます。

では、どうすればいいのでしょうか。Zensでは、民泊ニーズの高いエリア、ホテルニーズの高いエリアを適切に住み分けしつつ、双方に活用できそうな物件を民泊×マンスリーマンションというハイブリッド型で運用することで共存が可能になっていくのではないか、と考えています。

参加者の皆さんから多くの質問をいただき、町田にとっても更に理解が深まった勉強会となりました。

「TOTATE LAB」後には、東京建物八重洲ビル内のベルギービアレストランにて懇親会を行ないました。オフィス直結のレストラン街があるのも嬉しいところです。

懇親会で「大企業だからできること。スタートアップ企業だからできること。僕たちが協力すれば、きっと大きなものが生み出せると思うんです」と語りかけてくれたのが、「TOTATE LAB」の中心メンバーの一人、黒川恭佑さん(36)。この言葉には、町田も多いに刺激を受けたようです。

東京建物といえば、2016年に創立120年を迎えた総合不動産企業として日本で最も歴史ある大企業。対してZensは、創立4年のスタートアップ企業。歴史も企業風土も違う両社が手を取り合った時、その化学反応で不動産業界の新たな可能性が見つかるかもしれません。

【facebook|+ ours ( https://www.facebook.com/plusours)】

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