【地方編】2018年4月2日時点、各自治体が発表した民泊条例規制は?

2018年の6月15日から施行が決まっている住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)。

そこからちょうど3ヶ月前の3月15日には民泊物件の届け出受付が開始されます。これまでは旅館業で簡易宿所営業の許可を得るか、大田区や大阪市など一部地域のみ認められていた特区民泊の許可を得ることが必要でした。しかし、民泊新法が施行されてからは届出を行なうことで、合法的に民泊の営業が可能になります。

民泊新法では、国土交通省と厚生労働省から施行される内容をベースとして、各自治体ごとに独自の規制を行なうことが認められています。これに伴い、営業日数や営業地域に関して独自に規制を制定、または検討を始める自治体が少しずつ増えてきました。

施行決定後、いち早く動いて独自の条例を発表したのは23区内の自治体や観光が主要産業となっている地域ばかりでした。しかし、その動きを見て地方にある各自治体も条例を発表しはじめています。

地方でも今後激増することが予測される「上乗せ規制」。Zens insightでは、首都圏とその周辺の地域と地方に分けて一覧にしてその概要を紹介します。皆さんが所持する物件は自治体ごとに規制がかけられる地域にあるか、民泊事業を検討されている方は本格的に民泊が始まる前に確認してください。

首都圏版の記事はこちらから

【東京・首都圏版】各自治体が発表した民泊の条例・上乗せ規制は?(2018年4月27日更新)

各自治体の条例内容早見表。あなたが民泊を行う街は?

民泊新法の施行に伴い東京23区を中心に民泊新法に関する条例骨子案が続々と発表されました。それに伴い、首都圏以外にも観光資源が豊富な地方をはじめとして各自治体から骨子案が公表されています。下記の表をもとに自分が住んでいる街や民泊を行う予定の街が骨子案を公表しているか確認してみてください。

 

都道府県市区町村規制内容背景
京都京都市住宅専用地域での営業を60日に制限民泊の増加による騒音問題対策など、住民の生活環境悪化を防ぐため
宮城仙台市住居専用地域での営業を土曜日のみに制限住宅地の防犯と生活環境の維持のため
兵庫神戸市住居専用地域や学校周辺の民泊営業を規制民泊の増加による騒音問題対策など、住民の生活環境悪化を防ぐため
愛知名古屋市住居専用地域における平日の営業を制限健全な民泊サービスの普及を図るため
北海道全域民泊の営業が土日祝、60日以内に制限生活環境の悪化を防止するため
長野軽井沢町通年での民泊営業を規制善良なる風俗の維持と良好な自然環境の保全
長野県全域一部地域で平日の民泊営業を制限優良事業者認定制度を独自に導入予定
岡山県全域特に規制はしない現時点で民泊に関する苦情がほとんどよせられていないため
奈良奈良市一部地域で平日の民泊営業を規制生活環境悪化の防止と歴史的風土の保存のため
岩手県全域一部地域で平日の民泊営業を制限生活環境悪化を危惧しその防止のため
和歌山県全域営業日数に規制は設けないインバウンド需要に対して民泊新法は適切とした一方で内容が不完全として条例は定めている
静岡県全域一部地域で民泊営業を制限各自治体から事情があり要請があった場合には制限から除外するケースも
福島県全域一部地域で民泊営業を制限自治体により規制が行われるのは学校施設周辺、他は各市町村による
群馬県全域学校周辺などで民泊営業を制限る騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため
岐阜県全域遵守事項はあるが営業日数について制限は特になし観光客・周辺住民双方の安全を確保するために条例を制定する方針
大阪大阪市一部例外を除き住居専用地域での営業を禁止闇民泊が急増している背景を受け、内容をより厳しいものに

さらに以下では、各自治体から公表された骨子案について詳細を紹介してまいります。

各自治体から公表された民泊新法の骨子案について

京都市

閑散期の1月15日正午から3月16日正午までの営業に制限

軽井沢町同様、観光都市として国内外で人気の京都市。観光地としてはもちろんですが、観光地と住宅地が混在している京都市では、無秩序な民泊物件が乱立する恐れがあると課題に明示しています。

そしてついに2018年2月23日、閑散期である1月下旬からから3月上旬までのみ民泊物件の運用を認める条例が可決・成立しました。

生活環境の悪化を防ぐために、現在民泊に関する苦情が少ない期間のみの営業に制限されます。京都市内で民泊の運用を考えている方は今後この条例を踏まえて方針を考える必要があります。

仙台市

住居専用地域での民泊営業を土曜日正午から日曜正午のみに制限、範囲は市全体の1割

東北の中心地であり、仙台城や作並温泉などの観光地を持ち松島からもほど近い仙台市。2017年12月26日に記者会見を開き、民泊に関する独自の条例を発表しました。

住居専用地域における民泊営業を土曜日の正午から日曜日の正午まで、実質土曜日のみにするとの案が出ています。制限される日数は他の地域と比較しても多いですが、仙台市内で該当するエリアは、中心地から離れた住宅街で約1割程度です。

この規制を行う理由として、他自治体と同様、夜間を中心に静かな生活環境を維持したいという考えに加えて、該当地域は昼間の人口が少なく防犯機能が低下していることもあげられています。

神戸市

住居専用地域および児童福祉施設の周辺100mを全日規制

2018年1月5日に民泊新法に関する骨子条例案を発表した神戸市。「住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するとともに、地域との調和を図り、もって法の適正な運営を確保すること」を目的に、住居専用地域や児童福祉施設周辺の生活に密着している地域での民泊営業を規制する方針です。

また、観光地としても有名な有馬温泉がある北区有馬町では、5月第2月曜日正午から7月第3月曜日の前週の土曜正午までの営業のみ、他の期間は営業を認めないとしています。こちらは旅館やホテルの宿泊者が求める保養環境の悪化を回避することが目的です。

名古屋市

月曜日の正午から金曜日の正午までの間、住居専用地域での営業を規制

東京と大坂のおおよそ中間地点にあり、観光目的以外にビジネスを理由に訪れる人も多い愛知県名古屋市。

2018年1月12日に、民泊新法に関する条例の骨子案を発表しました。内容は他の自治体でも見られたオーソドックスなもので、住居専用地域において平日(月曜日の正午から金曜日の正午)の間営業を規制するものです。国民の祝日の場合は例外で、祝日の前日正午から、祝日の翌日正午までの間、例外的に営業が可能となります。

北海道

地域ごとに細かく事業可能日数が指定、一番規制が厳しい地域は60日以内

京都市と同様に観光地として国内外から支持を受けている北海道。札幌市を除く北海道全域で民泊新法に加えて規制を行なう動きを見せています。住居専用地域では営業可能な日数が60日以内、さらに営業可能なのは土日と祝日に限られています。また、学校がある地域では、学校が休みの日のみ、営業可能な日数は110日以内と規制が設けられる予定です。

北海道で民泊を考えている方へ、こちらの記事で北海道で民泊を行っているホストが「北海道の民泊で成功するためには?」について紹介しています。あわせてご覧ください。

現役Airbnbスーパーホストが語る!札幌の民泊事情と展望

軽井沢町

町内全域、通年で民泊の営業を禁止する方向へ

観光地・避暑地としても有名な軽井沢町。これまで観光都市として善良なる風俗の維持と良好な自然環境に尽くしてきた背景と、民泊によりこれまで維持してきた風紀が乱される恐れがあるとして、民泊施設の設置を町内全域で認めないという基準を設けました。

民泊新法に則った民泊物件だけではなく、カプセルホテルとそれに類する施設も認められないとしています。そのため、旅館業法に則り簡易宿所営業で民泊を行なうことも不可能だと考えられます。

長野県

学校周辺地域や観光地など、地域によってそれぞれ規制内容が異なる

「民泊営業の全面禁止」を打ち出して話題になった軽井沢町のある長野県ですが、長野県からも12月28日に民泊新法に関する条例案が公表されています。いくつかの地域で、地域によってそれぞれ営業日数の制限が設けられています。

(1) 学校等の周辺の静穏な環境の維持・防犯

児童等の登校日

(2) 住宅地等の静穏な環境の維持

住居専用地域→月曜日から金曜日まで(祝日等を除く。)

静穏な環境を求める者が多く滞在する別荘地など住居専用地域に準ずる地域のうち、市町村の意見等を踏まえ、規則で定める区域→滞在者が多い期間など

(3) 上記以外

冬季におけるスキー場周辺など道路事情に起因する生活環境の悪化を防止するため制限が特に必要と認められる地域などのうち、市町村の意見等を踏まえ、規則で定める区域

制限が特に必要と認められる期間

(参考→「長野県住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例(仮称)骨子(案)」へのご意見を募集します

上記のように、各地域によって規制の内容が異なるため、注意が必要です。

また、長野県では独自に「有料住宅宿泊事業者」の制度を設けるとしています。この制度を満たす条件として以下の条件があげられています。

(1) 地元観光協会等への加入など地域との積極的な交流

(2) 旅館責任賠償保険への加入

(3) その他宿泊者の安全や利便性に配慮した運営等

ゲストの安全性を保証する動きと、地域の観光協会などとの交流を行い、地域に根付いて運営を行うことが求められるようです。

岡山県

生活環境に変化は見られないとして、条例による上乗せ規制はなし

倉敷を中心として、訪日観光客からも支持を集めている岡山県。平成30年1月25日に県の観光課より民泊新法に関する運用方針が発表されました。

県条例による住宅宿泊事業の実施の制限について

県では、市町村から意見等を聴取し、県条例による住宅宿泊事業の実施の制限について検討してきましたが、全ての市町村において民泊に伴う苦情等がなく、少なくとも現時点では具体的な生活環境の悪化は認められないこと、また、今後の住宅宿泊事業の需給等が明らかでないことから、制限を行う合理的な理由がないと判断し、条例による住宅宿泊事業の実施の制限はしないことを決定しました。

(参考→住宅宿泊事業法に係る運用方針が決まりました

民泊新法について発表があってから自治体独自で上乗せ規制を行うところも多い中、民泊による生活環境悪化は現状では見られないとして、岡山県では特に規制を行う予定はないとしています。今後、民泊新法が施行されてから生活環境の悪化などが見られた場合は指導・規制も検討するとのことです。

規制により民泊のみでの営業が難しくなっている中、上乗せ規制がないというのは民泊の運用を考えている人にとっても追い風です。自治体と民泊運営者が一体となった誘致活動などでより活発化することもあるかもしれません。

奈良市

生活環境の悪化が懸念される地域と古都の保存に関わる地域で規制あり

歴史的建造物も多く、観光地の候補としてあがることも多い奈良市。一部の区域では営業日数に制限がかかるようです。地域によってその制限内容は異なるとのこと。

住宅宿泊事業の実施の制限

(1)法第 18 条に基づき、以下のとおり区域を定めて事業を実施する期間を制限する。

住居専用地域

宿泊に対する需要が増大すると認められる期 間の、月曜日の正午から金曜日の正午までは事 業ができない。

古都における歴史的風土の保存に関する 特別措置法(古都保存法)で指定される歴 史的風土特別保存地区

奈良町都市景観形成地区

宿泊に対する需要が増大すると認められる期 間は事業ができない。

学校・保育所等の敷地の周囲 100メートル以内 (旅館業法第3条第1項の許可を受けて旅館業を営むものに係る営業の施設が所在する区域は、制限の対象外とする。)

月曜日の正午から金曜日の正午までは事業ができない。(学校等の施設の休業日及び国民の祝日に関する法律に規定する休日の前日の正午から当該休日の翌日の正午までの期間は除く。)

(参考→「(仮称)奈良市住宅宿泊事業の実施の制限等に関する条例骨子案」 に対する意見募集について

住居専用地域と学校・保育所等の敷地の周囲100m以内に関しては他の地区などでも多く採用されている、平日の営業制限が行われる予定です。

さらに加えて、「歴史的風土特別保存地区」と「奈良町都市景観形成地区」では、古都の歴史的風土を守るためとして、宿泊の需要が増大すると認められる期間は営業の一切が禁止されることとなります。まだこの期間については詳しく定められていません。

岩手県

学校周辺地域や住居専用地域で家主不在型の民泊は営業の制限あり

2018年1月10日、岩手県は民泊新法に関する条例案を公表しました。宮城県仙台市、福島県に続いて東北地方では3番目です。

公表された案では、住居専用地域内または大学以外の学校および児童福祉施設の敷地の周囲100メートル以内の区域で、家主不在型の営業を行う民泊に対して制限を行う予定。住居専用地域内では、平日の営業が制限されます。祝日の場合は前後が平日の場合、その平日は営業ができず、祝日1日のみの営業となります。

大学以外の学校または児童福祉施設の周囲に関しては、学校の休業日(日曜日、土曜日、祝日および夏休み等の長期休業期間)および児童福祉施設の休業日を除く日の営業を認めない方針です。また、休業日のない施設の周辺100m以内の区域での営業も制限されています。

同じ民泊であっても、ホームステイなどの家主移住型の民泊であれば、体験や交流観光の需要に応えるものと捉え、上記の地域内であったとしても制限の対象外だとされています。

和歌山県

上乗せ規制はないが条例による内容の細分化はあり

大阪府と隣接している和歌山県も、2018年1月12日に民泊新法に関する条例案を発表しました。民泊新法の施行を受けて上乗せ規制を行う自治体が多い中、和歌山県は

和歌山県においても、訪日外国人が増加しており、これらの人々のニーズに対応するとともに、地域の活性化に資するものとして、住宅宿泊事業法が制定されたことについては、評価をするものである。

として、上乗せ規制は行わない方針です。しかし、これに続けて、

しかしながら、この法律には次のような課題があり、その課題を解決するために、次のような対応をすることとしたい。

とし、宿泊日数や営業可能地域以外の面でいくつかの規制案を設けている。

1 住宅宿泊事業者、住宅宿泊管理業者及び管理業務の一部を再委託された者が守るべきルール(法律及び政省令に定められていること以外)

2 周辺住民への事前説明

3 周辺住民の反対がないことの確認

4 事業の届出

5 指導監督

(参考→「(仮称)和歌山県住宅宿泊事業法実施条例」(案)の概要に係る県民の皆様のご意見を募集します。

ゲストの安全面・衛生面が配慮されているかどうかと、周辺住民に対して説明を行う必要があること、また、それぞれを書面化した上で事業の届出を行う必要があります。民泊新法ではあいまいになっており、事業者側で判断しかねる内容や、自治体側に判断が委ねられるような内容を条例により明確化した内容となっています。

※3/12 更新

2018年3月8日、上記の通り条例案が可決されました。営業日数の規制はありませんが、徹底した衛生管理や周辺住民への説明など、安全な民泊が運営されるために必要なことが条例によって明確化されています。

静岡県

観光地や住居専用地域ごとに民泊の営業の制限あり

富士山があり各首都圏からのアクセスもよく、訪日観光客からの需要も高い静岡県。2018年の1月5日に民泊新法に関する条例の骨子案を公表し、パブリックコメントの募集を行いました。(募集は終了済。)

住宅宿泊事業の実施を制限する区域及び期間

1. 学校等の周辺100mの区域内

平日(月曜日~金曜日)※ 国民の祝日及び学校等の休業日を除く

2. 住居専用地域

平日(月曜日~金曜日) ※ 国民の祝日を除く

上記の地域については、原則として住宅宿泊事業の実施を制限することとし、 地域の実情を踏まえ市町から要請があった場合に制限する区域から除外します。

3. 特別用途地区等

平日(月曜日~金曜日) ※ 国民の祝日を除く

4. 静穏な環境を求める住民が多く滞在する 別荘地、狭隘な山間部等にあり、道路事 情の良好でない集落その他の生活環境の 悪化を防止することが特に必要な区域

生活環境の悪化を防止するため 特に必要な期間

上記の地域については、地域の実情を踏まえ市町から要請があった場合に 住宅宿泊事業の実施を制限する区域に指定します。

(参考→住宅宿泊事業法第18条に基づく事業の実施の制限に関する条例(仮称)骨子案

他の自治体と同様に、学校などの施設周辺や住居専用地域については、市町村単位での申請がない限り平日の営業が規制されます。加えて、ホテルや旅館の建設が制限されている地域やアクセス環境が好ましくなかったり住民の少ない地域は申請をした地域は一定の期間民泊の営業に規制が敷かれます。

福島県

県より規制が入るのは学校周辺地域のみ

2017年12月14日、福島県からも民泊新法に関する条例の骨子案が公表され、2018年の1月14日までパブリックコメントの募集が行われていました。福島県から公表された骨子案は以下の通りです。

学校等の周辺地域の制限について以下のとおり、原則として住宅宿泊事業の営業を制限する。

【区域】学校等の施設(旅館業法第3条第3項各号に掲げる施設を言う。)の敷地から半径100m以内

※ただし、市町村から「周辺の生活環境の悪化のおそれがない」との意見 のあった区域を除く。

【期間】平日(長期休暇期間中の平日を除く)

※ただし、住宅宿泊事業届出時に、当該学校等の施設の設置者等(市町村教育委員会等)からの「清純な施設環境を害するおそれがない」旨の意見書の添付があった場合を除く。

その他の地域の制限について以下の地域について、市町村から意見があった場合に、住宅宿泊事業の営業の制限を検討する。

(1)静穏な環境を求める住民が多く滞在する別荘地

【区域】管理規約等で静穏な環境を維持するものとしていると認められる区域等

【期間】別荘地の繁忙期となる時期等

(2)道路事情が良好でない山間部等の集落

【区域】渋滞を悪化させる等、日常生活を営む事に支障が生じる区域等

【期間】例年道路渋滞が発生する時期等

(3)その他、住宅宿泊事業の営業により、周辺の生活環境が悪化するおそれが特にある地域

※ (1)~(3)は、住宅宿泊事業の営業を規制できる場合を示したものであり、具体的な区域の指定に当たっては、市町村から聴取する意見を反映する。

(参考→(仮称)福島県住宅宿泊事業法施行条例骨子案に関する県民意見公募(パブリックコメント)の募集結果について

平日の営業が規制されるのは、学校等の施設がある半径100m以内の地域のみです。各市町村から「生活環境に影響がない」と意見があった際はこの地域から除外されます。他の自治体に比べるとやや規制が緩やかです。

他、別荘地をはじめ生活環境の悪化や民泊によって環境が大きく変化することが考えられる地域や道路事情が良好ではない地域は、各市町村から要請があった場合、別荘地であれば繁忙期など、一定の期間営業の規制が行われます。

群馬県

福島県同様学校や児童施設周辺にて規制を行う予定

世界遺産に認定された富岡製糸場などがあり、東京からも電車で向かうことが可能な群馬県。12月15日に民泊新法に関する条例の骨子案を発表し、30日間パブリックコメントの募集を行っておりました。

条例の骨子案は以下の通りです。

(1)条例で制限できる「区域と期間」は、以下のとおりとするほか、知事が特に必要と認める区域及び期間とする。

①区域

学校教育法第1条に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第2条第7項に規定する幼保連携型認定こども園、児童福祉法第7条第1項に規定する児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除く。)の周辺おおむね100メートルの範囲(※)

※「おおむね100メートル」:旅館業法の規定を参考とした。

②期間

月曜日から金曜日まで(祝日、各施設の休業日を除く。)

(2) 制限する区域と期間を定める場合は、関係市町村の意見を聴取しなければならないものとする。

「群馬県住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例(仮称)」の骨子案についてより)

学校施設や幼稚園、保育園など児童や生徒を預かる施設の周辺100m圏内では、祝日や休業日を除く平日の間営業が制限されます。また、この制限区域と期間に関しては県の独断ではなく各市町村の意見を聴取した上で決定されます。

この骨子案を踏まえた上でパブリックコメントが公表され、それに関する回答が2月9日に公表されています。一部その内容を紹介します。

Q. 群馬県での民泊は一切認めない「民泊禁止条例」の制定を要望する。

A. 法は、住宅宿泊事業を適切な規制の下、振興するというものですので、法の目的に反する条例の制定は困難です。

Q.長期滞在者への宿泊サービスが困難となる規制、年間の大半が制限の対象となる規制をしないよう要望する。

A.住宅宿泊事業に起因する生活環境の悪化を防止するために必要がある場合、合理的に認められる範囲で、制限する区域と期間を判断します。
それ以外の理由による制限や合理的と認められる範囲を超える制限は行いません。

過剰な上乗せ規制を考えている自治体もある中で、群馬県は、あくまでも条例の内容にのっとり必要な範囲で規制を行う方針です。

岐阜県

営業日数の規制はなし、衛生・安全面や周辺住民に対する安全の確保を

白川郷や飛騨など、観光で有名なスポットがありインバウンド需要も大きい岐阜県。

2018年2月14日、岐阜県は民泊新法に関する条例の骨子案を発表し、3月1日までの約2週間におよんでパブリックコメントを募集しました。

住宅宿泊事業の適正な運営を 確保しつつ、国内外からの観光旅客の宿泊に対する需要に的確に対応してこれ らの方々の来訪及び滞在を促進し、もって県民生活の安定向上及び県民経済の 健全な発展に寄与すること」を目的としており、営業日数に特に制限は設けられていませんが、いくつかの遵守事項があります。

事業者が遵守すべき事項は以下の7つです。

  • 宿泊者の衛生の確保
  • 宿泊者の安全の確保
  • 外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保
  • 宿泊者情報の確認
  • 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明
  • 苦情等への対応
  • その他事業者が実施することが望ましい事項

ゲストが7日以上宿泊する場合は定期的な面会等で居場所の確認を行なったり、苦情対応には30分以内に駆けつける必要があったりなど、運営に大きく関わる内容も制定される予定です。

骨子案については以下のリンクから確認することができます。

岐阜県住宅宿泊事業条例(仮称)の骨子案

大阪市

住居専用地域では一部を除き、年間を通して営業を規制、教育施設の周辺も大幅な規制へ

日本でも数少ない民泊特区に指定されている地域であり、インバウンド需要も日本でもトップクラスの大阪市。

昨年の12月20日に条例案が公表された際には、地域による規制は特にありませんでした。しかし、年々増加している闇民泊、また、民泊施設が絡んだ事件の影響もあり、議会では規制を行うべきとの意見もあがり、一部地域での規制に至りました。

2018年3月26日に規制内容が強化された修正案が可決されました。規制の概要は以下の通りです。

  • 宿泊利用者が日本に国籍を有していない場合は、国籍および旅券番号が記載されたパスポートの写しを保存する。
  • 住居専用地域(幅4m以上の道路に接している場合は除く)での民泊民泊営業全日規制
  • 小学校の周囲100m以内での平日の民泊営業規制

住居専用地域では全日規制されるなど、当初提案された内容とは一転、厳しい規制内容へと変化しています。また、大阪市は施行から3年後、必要に応じて条例の内容の見直し・変更を行うとしています。

地方によっては規制がない地域も。地方は地域によって大きな差が

地方における民泊新法をふまえた条例をまとめました。規制をする地域の理由としては「生活環境悪化の防止」や歴史的建造物などに対する配慮があげられています。一方、地域によっては民泊による影響はないとして現時点では規制を設けてない自治体もありさまざまです。

 

自治体や地域によっては、民泊による収益化が難しい地域もあります。法律にもとづき、周辺の住民にも配慮した運用を続け、民泊に対する印象を改善することが今後民泊関連業者には求められるでしょう。