「訪日客向け有料通訳ガイド解禁」が民泊事業に与えるインパクトとは?

Miniature businessman on map of Europe. Color tone tuned

2018年1月4日、改正通訳案内士法が施行され、国家資格を持たない人も有料で訪日外国人に対して通訳ガイドができるようになりました。これにより大手旅行会社がガイドの登録・派遣を始めるなど、新しいビジネスの動きを見せています。

この有料通訳ガイド解禁は、民泊業界にも大きなインパクトを与えると思われます。こうした流れに置いていかれないよう、有料通訳ガイドと民泊のかかわりについて理解を深めておきましょう。

通訳案内士法の改正

日本を訪れる外国人の数は年々増加しており、2017年1月~11月では2,616万9,361人が訪れています。これは2016年の累計訪日外国人数をすでに上回っており、過去5年間と比べても最も大きな数値です。

日本に訪れる外国人が増えれば増えるだけ彼らを案内する通訳ガイドのニーズは高まりますが、日本では一部の大都市に偏在しており、言語も英語に偏っていました。そうした現状を打破するため、この度通訳案内士法が改正されたのです。

この改正により、さまざまな変化が起きていきます。

  • 業務独占規制の廃止・名称独占規制の存続
  • 地域ガイド特例を地域通訳案内士として全国展開
  • 全国通訳案内士に対し定期研修受講の義務付け
  • 地域に限定した知識のみで取得可能な地域限定の旅行業務取扱管理者の資格制度の創設

これ以外にも、無資格ガイドの質の向上を目的に研修受講が呼びかけられたり、悪質がガイドを派遣する業者への取り締まり措置なども予定されています。

有料通訳ガイド解禁で民泊が変わる


国家資格がなくても有料で外国人観光客に通訳ガイドができるように民泊業界にも変化が表れることが予想されます。

通訳サービス付きの宿が誕生する

これまでも民泊のゲストとして外国人が訪れた場合ガイドをするホストはいましたが、これを有料サービスとして始めるホストが増えるでしょう。特に物件が集中している地域では他との差別化に悩むホストも多く、「有料ガイドサービス付き」とすることで、一歩抜きんでようとする方が多くなると思われます。

運営する宿が少なければ、ホスト自身がゲストを連れて歩くことは可能です。しかし複数の宿を抱えているのであれば、新たにガイド専門スタッフを雇って、派遣するという形態も考えられます。どこまでコストをかけて、どこまでサービスを提供するのか。ガイドサービスを始めるホストは、そうしたバランス感覚が必要になってくるでしょう。

Airbnbのトリップでガイドを扱うようになる

もともと民泊にを運営するホストと旅行者であるゲストのマッチングの場であったAirbnbですが、現在では「トリップ」という機能を実装し、さまざまは体験を提供できるシステムとなっています。

こちらでは着付けを体験できたり日本料理を習ったりといった機会が提供されていましたが、法改正により有料のガイドサービスを提供するようになると思われます。

副業ガイドが増加する

これまで必須であった国家資格が不要となったため、ガイドになる敷居が下がるでしょう。これにより、副業・バイト感覚でかんたんにガイドを始める方が増えると考えられます。

通訳ガイドの人口が増えれば、今まで取りこぼしていたニーズを拾い上げ、外国人観光客により深く日本を知ってもらうことができます。また対応言語も増え、英語話者以外の外国人にも満足してもらえるでしょう。

しかしデメリットとして、質の低いガイドも増えることが挙げられます。十分な知識を備えていない、外国の文化を理解できず知らず知らずに失礼な態度をとる、料金設定が不明確で法外な請求をするなど、いろいろなパターンが考えられるでしょう。

こうしたガイドが横行すれば、訪日外国人観光客の満足度はどんどん下がってしまいます。だからこそ、ホストとして優良なガイドを手配できたり、自分自身で質の高いガイドをできれば、ゲストの満足度を高められると思われます。

無資格通訳ガイドを提供するサービスが増加


この度の法改正を受け、通訳ガイドを提供するサービスが誕生しています。

Travee(トラビー)
大手旅行会社の株式会社エイチ・アイ・エスは、2017年6月にスタートしたサービス。地元の情報と外国語スキルを持った人をTraveeガイドとして登録させ、有料でのガイドの仕事を提供します。

今後は地域独自の文化・産業体験を盛り込んだプランを作り、自治体とも連携を図るとのこと。スタッフの講習も行い、よりレベルの高いガイド育成にも力を入れていきます。

Huber(ハバー)
2015年4月に設立された株式会社Huberが提供するサービスで、国際交流を目的とした日本人と、ガイドを必要とする外国人のマッチングサイトとして運営されています。以前は通訳案内士の仕事を無資格で行うことはできませんでしたが、通訳と案内をする人間を別々にすることによってこの問題をクリアし、数多くの外国人観光客を満足させてきました。

JR東日本や東急電鉄、地方自治体とも連携している他、経済産業省「地域未来牽引企業」に選定されるなど、通訳ガイド派遣において着実に実績を重ねています。

また、Zensでも上記に記載した企業と同様に、日本の文化を体験することができるツアーを実施し始めています。下記の記事でその概要や今後需要が高まると予想されるガイド・体験について記載していますので、確認してみてください。

有料通訳ガイド解禁を活かすかどうかはホスト次第


この度の有料通訳ガイド解禁は、旅行業界において大きな変化をもたらすことは間違いありません。そしてその波は、確実に民泊業界にも寄せてくるでしょう。この変化を活かして自身の民泊運営を成長させるのか、世間の動きに置いていかれてしまうのかは、ホストにかかっています。

自分が運営する民泊には、どの国からのゲストが多いのか。彼らは現地のどんな情報を知りたいのか。それを提供できる通訳ガイドはいるのか。多角的な情報を自ら集めて対応を先取りすることで、他との差別化が達成されます。

Anna79
民泊をやってみたいけど、わからないことがわからない。そんな民泊ビギナーの方でも理解できる、わかりやすくベーシックなコンテンツを作成します。物件選びや法律関係、集客についてなど、広いテーマで情報をご提供します。