闇民泊は完全淘汰!違法民泊物件の仲介等の防止に向けた措置について

日本では民泊に関する法整備が遅れており、長らく「闇民泊」と揶揄される存在がありました。黒に近いグレーゾーンに属し、違法とまではいえないものの、衛生面や安全面、騒音面などで問題を引き起こす物件が少なくなかったのです。

しかし日本でも民泊が盛り上がるにつれて、だんだんと新たな整備が進んでいます。民泊新法と呼ばれる住宅宿泊事業法も制定され、一気に状況が変わり始めました。そして2016年12月26日、「違法民泊物件の仲介等の防止に向けた措置について」という通知が観光庁から民泊仲介サイト運営事業者へと発せられたのです。

いったいこの通知は、どんなものでしょうか。そして、この通知後も正規の民泊として生き残るにはどうすればいいのでしょうか。

「違法民泊物件の仲介等の防止に向けた措置について」とは

「違法民泊物件の仲介等の防止に向けた措置について」とは、観光庁から民泊仲介サイト運営事業者に対して、「サイトに載せる物件には、これを義務付けてください」「それがクリアできない物件は、削除してください」と通知したもの。

義務の内容は、許可番号の掲載や宿泊日数制限の確認などが挙げられています。これらの措置は、2018年6月15日の住宅宿泊事業法施行に向けて、闇民泊を淘汰することが目的だと考えられます。

大手プラットフォーム「Airbnb」もこれに従う旨を発表

観光庁より通知が渡される約1週間前、世界的大手民泊プラットフォーム「Airbnb」の公式HP内でも以下の声明を発表しています。

住宅宿泊事業法の施行に向けたAirbnbの取り組みについて

Airbnbは、住宅宿泊事業法の施行に向け、同法に従い観光庁へ登録し、法令遵守のために必要な対応を随時実施して参ります。

すべてのホストは、Airbnbに物件を掲載する手続の一環として、関係法令の遵守を求める利用規約への同意が必要です。これに加え、該当するホストが住宅宿泊事業法を遵守するよう、観光庁のご指示のもと施策を展開いたします。

地域社会に配慮し、持続可能な形で、ホームシェアを含む住宅宿泊事業が日本全国で普及するよう、引き続き日本政府、自治体、業界関係者の皆様と協働させていただく所存です。

(参考:住宅宿泊事業法の施行に向けたAirbnbの取り組みについて | Airbnb Citizen

(※Airbnbcitizen内ニュースより)

民泊新法に対してどのようなAirbnbがどのような反応を示すか、日本国内でも注目されていたところですが、この声明により他のプラットフォームも同様の対応を行うであろうこと、違法で民泊の営業を行うことは困難であることが予測されます。

現状で違法となるような営業形態をとっている民泊はもちろん、「知らなかったけど違法扱いだったためプラットフォームサイトから削除された」といったことが起きないように注意が必要です。

民泊仲介サイトから物件が削除されないための義務

「違法民泊物件の仲介等の防止に向けた措置について」によって、義務を満たさない物件は民泊仲介サイトから削除されることになりました。ここからは、引き続き掲載していくには具体的にどういった対応が必要なのかを解説していきます。

2018年6月15日までに必要な対応


現在すでに民泊を運営している方は、住宅宿泊事業法が施行される2018年6月15日までに登録申請を行わねばなりません。規定の書類を用いて申請すると許可番号が与えられるので、その番号を民泊仲介サイトに報告してください。

申請は2018年3月15日以降にできますが、仮の通知番号が発行された時点で、民泊仲介サイトへの掲載や、利用者の決済などが可能になります。ですから、「番号が発行されるまでの間、民泊が運営できない」といった事態には陥りませんので安心してください。

仲介サイトによって、異なる方法での報告となることが予想されます。まずはサイトからのお知らせを待ち、指定されたやり方に準拠しましょう。

運営している物件が旅館業法に基づく許可物件の場合、許可番号は保健所などから通知されます。また、これにあわせて物件の住所も報告することになるでしょう。

国家戦略特区制度のもとで運営している民泊の場合は、施設の名称と所在地のみの申告でOKです。

イベント民泊の場合は、自治体が発行する要請状を申告します。ちなみにイベント民泊というのは、特定のイベント開催時に、自治体の要請などに基づいて旅行者に対して自宅を宿泊施設として提供するタイプの民泊です。恒常的に運営している物件とは、カテゴリーが異なります。

住宅宿泊事業法施行後に民泊を始める場合


住宅宿泊事業法が施行された後に民泊の運営を始める場合にも、民泊運営者が行うことは基本的に同じです。

第十条 住宅宿泊事業者は、法第十二条の規定による委託をしようとするときは、当該委託をしようとする住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に対し、届出番号を通知しなければならない。

(参考:住宅宿泊事業法案

こちらは住宅宿泊事業法施行規則第十条ですが、これに基づき届出番号を民泊仲介サイトに通知します。住宅宿泊事業法施行後は、この通知番号がなければ、物件を掲載すること自体がそもそも不可能になっていくでしょう。

民泊の運営実績を報告

民泊仲介サイトに掲載されるためには申請が必要ですが、実際に運営していくなかでも義務が生じます。それが、運営実績の報告です。

一つの物件を民泊として貸し出せる日数は、年180日以内と定められています。それを超過して宿泊者を泊めていないか、毎年4月15日と10月15日までに、それぞれの前6か月分について報告しなくてはなりません。こちらでは、

  • 住宅宿泊事業者の商号、名称又は氏名
  • 届出住宅の住所及び届出番号
  • 届出住宅において人を宿泊させた日数

この3つを様式にそって提出します。

違法民泊として摘発されないために


今後も民泊をとりまく環境は整備が進み、違法行為をしている物件は次々に摘発、営業停止という事態に陥っていくことでしょう。自身が運営する物件を継続的に成功させていくためには、ゲストへの気遣いや室内のリノベーションといった直接的な工夫だけでなく、こうした面にも気遣わなければなりません。

しかし、こうした情報を逐一追って、常に適切な対応をしていくのは手間も時間もかかるものです。だからこそ、知見のある個人や企業の協力を経て、総合的な民泊運営をしていくことがおすすめです。信頼できる人や業者と手を組み、うっかり闇民泊にならないように気をつけてください。