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築48年のマンションが民泊で稼働率90%を達成した秘密

[記事公開日]2017/10/16
[最終更新日]

一泊約4万円の1LDKに、なぜゲストは「5つ星」をつけるのか?

その物件は、東京メトロ表参道駅から徒歩12分、有名ブランドショップがたち並ぶ南青山の一角にありました。百聞は一見にしかず。予約時にメールで送られてくるウェルカムガイドに従って、表参道駅で下車しました。
※ウェルカムガイドとは、物件へのアクセス方法や、家電の使い方などのマニュアル、ゴミ出しなどのルールなどを、ゲストに対して複数言語で紹介する情報のこと。

レトロな外観と個性的な内装のギャップが魅力

英語で書かれたガイドには物件の外観写真や経路を記した地図はもちろん、最寄り駅までの公共交通機関によるアクセス方法や、駅からタクシーを使った場合の目安金額まで載っています。A5出口から地上に出た瞬間から、15枚もの写真で、曲がるべき交差点や目印になる建物などが紹介されているので、迷わずその9階建てマンションにたどり着くことができました。

外観はまぎれもなく築48年の年季が入っています。この中の一室が一泊平均2万円超、稼働率は90%を超え、年末年始には4万円近い宿泊料でも予約が入る、Airbnbの中でも指折りの人気物件とはにわかに信じられません。いったいどんな秘密が隠されているのでしょうか。


正面玄関の写真、そして部屋のドアノブに取り付けられたキーボックスの開け方までガイドにしっかり書いてあるので、マンションの周辺や廊下をうろうろすることもありません。住人に不審がられるなど、民泊にありがちなトラブルもなく、スマートにチェックインできました。

ガイドには「室内では土足厳禁」といった部屋の利用方法なども複数言語で赤字で目立つように記されていて、カルチャーギャップなどによるゲストのマナー違反も防げます。

このスムーズさ、鍵の受け渡しなどで対面なしで利用できるにもかかわらず、9割以上のゲストがレビューでチェックイン対応に5つ星をつけるのもなるほど納得です。

ドアを開けると外観からは想像もできない、現代的な内装の広々とした空間があらわれました。壁面はコンクリート打ちっ放しで、さながらアトリエのようです。

広さは60㎡。真っ先に目に入るのは、リビング中央に大胆に配された白いバスタブです。水よけのカーテンも一部あるものの、基本はオープンスペース。カップルや仲良し家族が部屋に入り、浮き立つ姿が目に浮かびます。

バスタブの真上に直径30 cm近い、大きなレインシャワーが設置されているのも、まるで海外のホテルのよう。バスタブはピカピカに磨き上げられ、コンクリートの床にはゴミどころか、髪の毛一本、見当たりません。

部屋の奥にはダブルベッド、作り付けの棚やクローゼット。すべて壁のコンクリートに合わせ、グレーと黒のファブリックで統一されていて、落ち着ける空間です。複数言語のガイドブックや、現代アートの画集が本棚にあり、家具や小物一つひとつがこの部屋の雰囲気をつくり出しています。

キッチンにはコンロはもちろん、メタリックな大型冷蔵庫、ドラム式の洗濯乾燥機、オーブンレンジもトースターもコーヒーメーカーも完備されています。グラスやお皿、フライパンなど、テーブルウェアが充実したコンドミニアム感覚にプラスして、レギュラーコーヒーやティーバッグなどもセットされていて、ホテルライクなサービスも兼ね備えています。

「暮らすように旅をする」ための情報も満載

ウェルカムガイドの中には、近隣の人気スポットであるライブハウスの「Blue note」や、「根津美術館」はもちろん、カフェや花屋、居酒屋、スーパーまで地図付きで掲載されています。

部屋は中層階の角部屋。窓からはおしゃれな家具を集めたショップのショールームが見下ろせます。

2017年6月から日本でもCM放映を開始したAirbnbの「暮らすように旅をする」のキャッチコピーそのままに、この部屋なら、南青山に「暮らしている」感覚が確かに味わえそう。

この個性的な内装はどこから生まれたのか。物件ホストの田澤裕一さん(44)に話を聞きました。

田澤さんは現在アメリカ・ニューヨーク在住。映画の助監督や脚本家として活躍されています。この物件はまだ東京在住だった独身時代、2008年に購入したといいます。

「ぼく、外観は気にしていなくて。立地がよくて、室内を好きなようにリノベーションできる物件を探していたんです。高校時代にみたフランス映画に、部屋のど真ん中に猫足のバスタブがあって、そこで男が葉巻を吸っている、その周りを女の子がローラースケートで滑っている、というシーンがあったんですよ。ずっとカッコいいな、と心に残っていて。一回そういう部屋に住んでみたいな、と」

その後、ハリウッドの仕事が増え、2014年にアメリカへ移住。しばらくは知人に貸してたそうですが、知人の引っ越しをきっかけに、Airbnbでの運用を検討し始めたといいます。

妻に強く勧められ、半信半疑で民泊に挑戦

「アメリカでは普及していた民泊ですが、日本でどのくらい需要があるのかな、大丈夫かな、と最初は半信半疑でした。海外メディアで働いている妻が、『絶対にニーズはあるはず』と背中を押してくれました。自分では管理できないので、代行業者を探して、Zens代表の町田さんに会って、信頼できると感じられたのでお願いすることにしました」

Zensに頼んでよかった点は、自分はアメリカにいて、何の手間も時間もかけず丸投げの状態でも、訪日旅行者のニーズに合わせたリスティングページの作成や適切な価格設定で、想定以上の稼働率、高収益を確保してくれることだといいます。あまりに稼働率がいいため、最初は一時帰国時に自分の居住スペースとして使用していたのが、いまではほとんど使用しなくなったんだそう。

「仕事で日本に帰国したときはウィークリーマンションを借りたり、時には他のAirbnbに泊まったりしています。自分の部屋のほうが高い宿泊料を稼げるので、自分が泊まると損しちゃう(笑)。最初は残っているローンの足しになれば、くらいの気持ちでしたが、いまではローン分どころか、毎月生活費レベルのプラスの収入になっています」と田澤さん。

『行儀のいい』ゲストを呼び込むコツ?

とはいえ、内装に凝った物件だけに、マナーの悪いゲストに宿泊されて、備品が破損したり、部屋を汚されたり、といった不安はありませんか。

「その点も、Zensであれば宿泊希望者とコミュニケーションをしっかりとって、リスクの高いゲストを排除してくれますし、独特の内装や高めの価格設定のおかげもあって、デザインやファッション業界など、『行儀のいい』ゲストが多く、ありがたいですね。近隣トラブルも含め、2年間、これといったトラブルは1件もありません。海外にいても安心して任せられます。空きスペースの活用法としては、大成功と言えるのではないでしょうか」

田澤さんの物件のように、ゲストから、清潔さ、正確性、ロケーション、コミュニケーションなど、7個の項目で5つ星レビューを多くとり、総合評価で80%以上の満足度を得ているホスト(部屋の貸し手)のことをAirbnbでは「スーパーホスト」と呼んでいます。

スーパーホストになると、このホストの物件なら信頼できると予約が入りやすくなることはもちろん、プラットフォーム上で検索の上位に上がるなど、ホストにとって大きなメリットがあります。田澤さんの物件は、総合評価で85%、物件選びの際、もっとも注目されると言われる清潔さの項目も89%の満足度と、スーパーホストの中でも突出した存在です。

ちなみにスーパーホストの割合はAirbnb全体では7%、清潔感などを重視し、全体的に満足度が高いと言われている日本の物件でも10%程度です。しかし、Zensが運営代行をしている物件に限ると、この割合が40%近くにまではね上がります。それだけ、Zensの扱う物件の質が安定しているといえます。

Zensの清掃システムについては下記の記事でも紹介しています。

民泊のバックヤードを支える 『清掃の天使たち』

まとめ -外国人観光客のニーズに合わせて高い評価と予約率を-

立地が良い、部屋がきれい、といったもともと人気がある物件をZensが選り好みして契約しているわけではありません。今回の物件は、ホストの田澤さんが海外生活が長かったこともあり、もともと外国人受けする内装でしたが、Zensが代行を請け負う物件の多くは、Zensがホストに、外国人観光客のニーズに合わせた内装を提案し、泊まりたくなる部屋づくりを主導しています。

そこからさらに適切な価格設定、見栄えのする写真撮影、宿泊希望者との密なコミュニケーション、徹底した清掃オペレーションまで、トータルでマネジメントすることによって、この驚異のスーパーホスト率が生まれているのです。

民泊というと住人とのトラブルや、グレーゾーンの投資といった連想する人もまだ多いかもしれません。ですが、安心して任せられる運営代行業者と組めば、そのリスクを限りなく下げることができます。

ただ所有しているだけでランニングコストがかかる空室を、新しい収入ツールとして蘇らせる、そのヒントがここにあります。

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